中小企業が金融機関とうまく付き合うためのポイント

金融機関との付き合い方

中小企業にとって、金融機関との付き合いは避けて通れないことが多いのではないでしょうか。中小企業では資金が潤沢ではなく、どうしても融資に頼る場合が多くあります。その際には、希望の金額の融資を受け、かつ利率などの条件も有利にしたいところです。

このコラムでは、中小企業が主に金融機関から融資を受けやすくなるために、金融機関とうまくつきあうポイントをご紹介します。

自社に合った規模の金融機関を選ぶ

 

まず、金融機関といってもメガバンクだけでなく、地方銀行や信用金庫などさまざまな種類があります。金融機関とうまく付き合うためには、自社の規模に合った金融機関を選ぶことが大切です。

一般的に起業したての会社、小規模な会社は信用金庫を選ぶとよいと言われています。信用金庫は地方銀行等と比べて銀行員が会社に営業訪問してくれる回数が多く、担当者とコミュニケーションを取りやすいからです。また、有事の際にはより会社に寄り添った対応をしてくれる傾向にあります。

自社の規模が大きくなるにつれて、より多額な融資額が可能となる地方銀行やメガバンクも検討していくのが一般的です。

融資を受ける際の準備

 

付き合いの方法を考える前に、金融機関から融資を受ける場合には、事前に準備をしっかりとすることで金融機関の審査がおりやすくなります。具体的には、主に以下のような事項が考えられます。

  1. 資金が必要な理由を明確にする
  2. 実現可能性のある返済計画をたてる
  3. 事業内容、取引内容、自社の強みや弱みを資料にまとめて説明する

金融機関が融資をするには、資金の使途が明らかであり、そして返済可能であることが必要です。金融機関としては社長の個人的な用途で会社に貸出をすることはできませんし、返済が滞る可能性がある場合も同様に貸出はできません。会社側で「なぜこの金額の融資が必要で何に使うのか」「どのような事業をおこなうのか」を説明し、成長の可能性があり、計画通りの返済ができることを納得してもらえれば、審査はおりやすくなるでしょう。事業計画書などでわかりやすい資料を作成することが大切です。

金融機関とうまく付き合うためのポイント

 

中小企業が融資を受けやすくなるために、金融機関とうまく付き合うための主なポイントは以下のとおりです。

  1. 定期的に会計帳簿を提供する
  2. 適時に、適切な会計処理をおこなう
  3. 定期的にコミュニケーションをとる
  4. 複数の金融機関と取引をする
  5. メインバンクは決めておく
  6. 金融機関のセミナーなどに参加する

それぞれ簡単にご説明します。

1.定期的に会計帳簿を提供する

融資を実行している場合、返済能力があるかどうか、利益や資産・負債の状況は金融機関が一番確認したいところです。このため決算書を求められますが、ここで年に一度の決算書だけでなく、月次や四半期でも帳簿を提供すると金融機関の評価が高くなります。金融機関から求められずとも、会社側から提供する姿勢でいると印象も良くなるでしょう。

業績が悪いことなどを理由に、会計帳簿を提供することを躊躇する、隠したがるケースがありますが、隠しても状況は変わらず、逆に不信感を持たれてしまいます。現状を正直に開示すれば、金融機関のアドバイスが得られる可能性もあります。

さらに、会計帳簿だけでなくローカルベンチマークを作成し金融機関と共有すると、金融機関からの評価が高くなるとともに企業の経営改善にもつながります。ローカルベンチマークについては、経済産業省のホームページを参照ください。

2.適時に、適切な会計処理をおこなう

決算書や会計帳簿を提供しても、粉飾していたり間違った会計処理をしていたりして実態と異なるものであれば意味がありません。中小企業では税務申告のために帳簿を作成しますが、会計の数字は法律上チェックがなされないため、粉飾をしているかどうかは金融機関が内容を確認して判断する必要があります。

そこで「中小企業の会計に関する基本要領」のチェックリストに従った会計処理をおこない、税理士の印をもらって添付すると、チェックリストにある会計の内容は税理士が確認してくれたことになるため、決算書の信頼性が高まり、融資がおりやすくなるでしょう

また、月次で記帳し帳簿を作成すると、リアルタイムの会社の状況が明確になります。会社の経営判断にも役立ちますし、1で述べたように金融機関へ提供すれば金融機関からの評価も高くなるでしょう。

3.定期的にコミュニケーションをとる

融資している金融機関側では、融資先の経営状態は常に気になるところです。このため、金融機関側から担当者が定期的に会社を訪問してくれることが多く、例えば信用金庫では定期積金の現金回収がてら毎月訪問してくれることもあります。

そのような中でも、会社側から金融機関へ訪問してコミュニケーションをとると、さらに先方とよい関係を築けるでしょう。借入実行の時だけ依頼をし、融資が降りるとその後はコミュニケーションを取りたがらない姿勢では、金融機関と信頼関係が作れません。融資は一度だけではないことが多く、今後の融資を引き続きスムーズに受けるためにも、コミュニケーションをとって信頼関係を築くことが大切です。

4.複数の金融機関と取引をする

金融機関からの資金調達は、中小企業の経営においてとても重要です。資金調達できないリスクを避けるためには、複数の金融機関とお付き合いをしておくことがおすすめです

借入の必要がなくても、預金口座を開いて入出金の指定口座とする、定期預金をするなど、何かしらの取引をしておくとよいでしょう。

5.メインバンクは決めておく

4で述べたように、複数の金融機関との付き合いをすべきではありますが、メインバンクは決めておきましょう。メインバンクは会社にとって最も融資を実行してくれる銀行であり、業績悪化の際には支援をしてくれます。「最も頼りになる金融機関」を一行に決め、より密な関係を築いておくとよいでしょう。

6.金融機関のセミナーなどに参加する

金融機関ではセミナーや勉強会などをおこなうことが多くあり、可能であれば出席して付き合いを深めておくとよいでしょう。

また、金融機関から金融商品をすすめられたり、必要性のない借入をすすめられたりすることがあります。こうした場合に、付き合いのために要請に応える会社も多いかもしれません。しかし、これらはあくまで可能な範囲でおこないましょう。自社の経営に影響が大きい場合、無理をする必要はないと思われます。

まとめ

 

以上、中小企業が金融機関とうまく付き合うためのポイントをご紹介しました。

中小企業にとって、金融機関との付き合いは避けて通れないことが多いと思われます。よい関係を築いて融資やアドバイスを得ると、企業の発展につながるでしょう

融資を受けるためには、付き合いの前に自社の経営状態を良好に保つことが大切です。そして事業内容や返済計画を実現可能性のある資料として提供し、説明できることが重要なポイントです。

その上で、金融機関とうまく付き合うには、信頼関係の構築が大切になります。金融機関と敵対関係でいる感覚では、うまく融資を利用して企業を発展させることが難しくなります。定期的に金融機関とコミュニケーションをとり、正しい会計帳簿を随時提供することなどで信頼を得て融資・支援を獲得し、企業をさらに発展させていきましょう。

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